前回までのあらすじ!!!!!!
とある一振り目の燭台切は自分より惨めな燭台切を探そうとしたが、見事リア充の波に浚われて灰になった!!!!
最終的に嫁とイチャイチャして機嫌が良くなった!!!!
それとは別にへし切長谷部のへし切長谷部によるへし切長谷部のための仁義なき戦いが始ろうとしていた!!!!!!!!!
長「そこの不審者、何をしている」
👻「!? い、いや俺は怪しいものじゃないぞ!」
ね「へし切と顔が瓜二つ……隠し子か」
長「刀が子を成せるものか。怪しくないというなら氏素性を答えてもらおう」
👻「は……長谷部国重」
ね「養子縁組」
長「執拗に俺を子持ちにしようとするのはやめろ」
ね「ここには一体何の用で訪れた」
👻「俺の友人が黒い男二人に攫われたから様子を窺いに」
長「嫌な予感しかしないんだが」
ね「ああ、そういえば主が可哀想な燭台切選手権を開くと言っていた。ならこの長谷部の友人は光忠という名前で決まりだろう」
長「可哀想なのはそんな企画をしたやつの頭だな」
👻「俺の光忠は確かに特殊体質のせいで悩む時期もあったし、面倒な友人を持ったせいで色々と振り回されたが可哀想なんかじゃないぞ!」
ね「俺には解る。面倒な友人とはこの長谷部のことで、告白されたものの一番にすると離れたときが辛いからなどと言って勝手に距離を置いたパターンだ」
長「理解力」
👻「ううううるさい! 小中学生が九州と東北を気軽に行き来できると思うのか! 九年経ってようやく同棲に漕ぎ着けたんだぞ!」
長「ど、同棲!?」
ね「説明しよう! この本丸の長谷部と恋仲の燭台切光忠こと俺の主はいまだに部屋が別である! 密かに離れで暮らす俺と光忠を羨んでいるのである!」
長「う、うらひゃましくなんかない!」
👻「……俺の光忠は毎日俺の好きな料理を作ってくれるぞ」
長「んんんん!?!?」
👻「食後のデザートがプリンだと光忠の膝を椅子にしてあーんまでついてくる」
長「はー!? なんだそれ子供か! 恋仲というより親子じゃないか恥を知れ!」
ね「ほらちり紙」
長「ちーん! く、くそ帰れ! 部外者はパパ活をやりに家に帰ってしまえ!」
👻「ちゃんと生活費折半してるぞ。夫婦が財布を共有するのは当然だからなぁフハハハハ」
長「~ッ! ……ッ! ~! ~!」
ね「地団駄を踏むな、余計虚しくなるぞ。あとちり紙」
長「ちーん! ぐぞ燭台切め後でじめる」
🚧「あーそこの二振りちょっといいか」
長「今度は何だ」
🚧「うちの燭台切がこの本丸に呼ばれたので、俺からも審神者殿に挨拶を思ったんだが……もしや不在か?」
ね「大殿は外出中だ。用向きは俺たちが代わりに伺おう」
長「どうせこいつも惚気るんだろう……騙されんぞ……」
ね「警戒しすぎだろ」
長「うるさい。お前は何だ、休暇を取って海辺のリゾートに二泊三日の宿泊、砂浜で水中でスイートルームで交尾に励んだとでも言うのか」
🚧「バブル時代をまんま反映したBL妄想録はよせ」
ね「つまり至ってノーマルなお付き合いをしていると」
🚧「ま、まあ」
長「言い淀んだぞ。油断するな裏が有る」
🚧「うちの本丸には俺しか入れない開かずの間というのが有るんだが……」
ね「簡易ラブホ」
🚧「雰囲気が座敷牢みたいだからと、その手の道具を買い込んできて、最近は縄目の跡が消えないんだ」
長「満更でもない顔を晒すな。袖を捲るな。実は今話してる最中も後ろに何か入ってますアピールやめろ」
ね「色々と限界っぽそうだったから旦那のところに誘導しておいたぞ」
長「助かる。くっ、どいつもこいつも燭台切に甘やかされおって軟弱な」
ね「へし切の中でSMプレイは甘やかしなのか。志高いな」
抱「お、もしかしてここの本丸の俺か」
長「ここはへし切長谷部無限沸きスポットか?」
抱「うちの光忠はもう用事が済んだみたいで、俺も今から帰るところなんだ。土産はお前たちに渡せばいいか?」
ね「比較的まともそうな個体だな」
長「いや違う……! アイコンの代わりに表示されている抱の一字、もう完全にスケベの予感しかしないぞ!」
抱「何の話だ」
ね「概ね閨事の話だ」
抱「別に大したことは……ああ、たまに青春時代が懐かしくなって学ランやブレザー着てコスチュームプレイに走ったりはするが」
長「ほらなー!? しかも恥じらいもせず淡々と言い切ってるあたり常習犯だろ! そもそも懐かしいとは何だ刀のくせに!」
抱「俺は二十年ほど人間やってたからな、光忠と」
長「へ」
抱「色々あって刀の記憶を無くして、二百年前の日本で人と暮らしてたんだよ。だからまァ、ランドセル背負ってる光忠とか? 家族ぐるみで旅行とか? 一緒に風呂やプールも経験済みだな」
長「ら、らんどせる……いっしょにふろ……おさななじみかっぷる……」
ね「おっとキャパオーバー」
長「ヨソハヨソ……ウチハウチ……」
ね「お母さんマジックを唱えなければ自我が保てなくなってしまった。重症だな」
✝️「何だ、具合でも悪いのかそいつ」
ね「心の病だ。放っておいても問題無い」
✝️「そうか。傷薬なら持ち歩いているんだがな。まあ聖職者らしく祝詞の一つでも口にしておこう」
長「聖職者だと」
✝️「うわこっち向いた」
長「ハッ、聖職者ねえ……ならお相手の燭台切は悪魔か吸血鬼と言ったところか。聖堂の長机に押し倒されて、神の御前でこんなことをとかほざきつつも罪悪感:快楽=1:9の交尾に現を抜かしてるんだろう!」
✝️「ふざけるな1:99だ」
ね「聖職者 #とは」
✝️「つまりこの俺によく似た格好の男は欲求不満なのか?」
ね「最近出陣続きで主に情けを請う暇が無いらしいな」
長「刀の!!!! 本分は!!!! 敵を斬ることですッ!!!!」
✝️「向こうから来るのを待っているからいけないんだ。男らしく誘えばいい」
長「それができたら苦労は……」
✝️「案ずるな。確実に相手が乗ってくる方法を俺が伝授してやろう」
長「何だと」
✝️「まず服を脱ぎます」
長「直球も直球じゃないか。言葉で誘えないやつにどうしてストリップ披露する度胸が有ると踏んだんだよ!?」
✝️「じゃあ半脱ぎでいいから目の前で自慰をし」
ね「はいお帰りはあちらでーす」
長「うう……どうして余所の俺はどいつもこいつも肉欲に駆られているんだ……」
ね「大丈夫かへし切、鏡なら貸すぞ」
長「要らん……はあ、道場で汗でも流して来るか」
☠️「カラカラ」←移動音
長「!? 時間遡行軍!?」
🗑️「待った待った。そいつは敵じゃないから斬らないでくれ」
ね「風変わりなペットをお持ちのようだな」
🗑️「ペット? まあそう見えるか。こいつはな、俺と光忠の愛の結晶だ」
長「刀が子を成せるものかという俺の台詞を伏線扱いするのはやめろ」
🗑️「実際に生まれたものは仕方ない。なあムネチカ?」
長「ぬぐぐ、触手姦で攻めてくると思いきや純愛枠だと……」
🗑️「本当のところはある男の忘れ形見なんだがな。光忠が協力してくれたお陰でこうして再会できたんだ。刀が人の姿を取る意味を考えたときも有ったが、かりそめにも命を繋ぐことができる器は偉大だな」
長「重たそうな背景を匂わせてきたぞ」
ね「お前も孕めるまで読んだ」
🗑️「要するに生はいいよな」
ね「ビールのノリで言ってるけど重そうな背景を忘れさせる勢いで下ネタだな」
長「そもそもゴム持参で臨む綺麗な燭台切はいるのか?」
ね「ゴムに溜まった精を上の口から飲みたいへし切長谷部もいるだろう」
長「燭台切に染められて淫蕩に耽るのか、元々へし切長谷部の性癖がアレなのか議論が滾るな」
💤「そこの俺、すまない」
ね「うん?」
💤「ここの書庫はどこにあるだろうか? 好きに回っていいと言われたんだが、どうも見当たらなくてな」
ね「ああ、なら俺が案内してやろう。一振りでも平気かへし切」
長「大事無い。余所の俺もゆっくりしていってくれ」
💤「ああ、ありがとう」
ね「余所の本丸に来てわざわざ書庫を探すとは、本好きなのか?」
💤「ああ。本のお陰で光忠と共通の話題を作ることもできたしな」
ね「官能小説」
💤「それは個刃で楽しむ用」
ね「やはりへし切長谷部はムッツリしかいない」
💤「それよりさっきの長谷部は大丈夫なのか? 顔色が優れなかったが」
ね「あれは夢見がちな男だからな。たまには現実を直視させる必要が有る」
💤「ああ、わかる。現実が豊かでないと夢に広がりが出ないからな」
ね「なるほど。手に取ってる団地妻ものの新作で可能性は広がりそうか?」
💤「夢は自由であるべきだからな!」
長「……身体を動かす気分じゃないな」
長「長谷部の沸きも止まったようだし、企画もそろそろ終わったかもしれん……たまには俺の方から声を掛けてみるか……まあ? 別に寂しいとかそういうあれじゃないけどな? あいつも他本丸との交流なんて粋なことを考えて隠居組の割に色々頑張ってるみたいだし? たまには労ってやらないとな?」
長「燭台切は……居た。何だ、まだ余所の燭台切と話してるじゃないか」
①「燭台切光忠たるもの、長谷部くんに誘われたら自覚あるなしにめちゃくちゃに抱いて自分のものにするべきなんだよ!」
長「!?」
①「長谷部くんみたいな繊細が過ぎて面倒な刀は一度NO枕突きつけられたら「やはりあいつに俺は相応しくないんだ……」って僕から離れた後、全てを思い出にして二度と近寄らなくなるか、無茶な戦い方して折れるまであるからね!? 君は光忠が一振りによってへし切長谷部がどれほどの影響を受けるか自分の股間と向き合ってみるべきだよ!」
長「……へえ?」
②「一振り目……」
①「なに!?」
②「長谷部くん来てるよ」
①「え」
長「……」
①「長谷部くんさっきの聞いて」
長「繊細が過ぎて面倒な刀で悪かったな」
①「ま、待ってくれ長谷部く、あークソ脚が速い! まだ極めたてとはいえ機動70流石だな畜生!」
そしてセッ得√へEND